遺伝子治療
遺伝子治療とは
特定のタンパク質を投与することで、何らかの原因で変異した遺伝子を正常化させる治療です。
ターゲットとする遺伝子はp53、PTENの2種類で、どちらも代表的ながん抑制遺伝子です。がん細胞はこれらのがん抑制遺伝子に変異をきたしていることが多く、それががんの進行を止められない一因となっています。
本治療ではこれらのがん抑制遺伝子を正常に戻すことにより、がん細胞をアポトーシスに導き、死滅させることを狙っています。また、一般的に用いられるウイルスベクターは使用せず、カチオニックリポゾームを用いているため、より安全性が高い治療となっています。
適用分野
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各種がんの治療
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がんの再発。転移予防
他の治療法との併用による相加・相乗効果
光及び超音波ダイナミック療法、温熱療法、化学療法、放射線療法との併用効果が特に高く、高濃度ビタミンC療法や低用量ナルトレキソンとの併用も可能です。
がん抑制遺伝子について
p53
最も重要ながん抑制遺伝子の1つです。p53の働きとして、DNAの修復、アポトーシスの誘導、細胞の増殖の調整・制御、代謝調整などを行っています。
p16
1つの細胞が2つに分裂する細胞周期の工程のうち、初期の調整にかかわり、細胞に何か異常が起こった時に、細胞周期をストップしたり、細胞老化を誘導します。
PTEN
細胞の分裂を調整して、主に細胞の生存(増殖)を媒介している、Aktという酵素抑制し、アポトーシス(自死)や細胞増殖抑制の機能を取り戻すがん抑制遺伝子の1つです。
治療概要
本治療は自由診療です。
治療期間、回数
患者様の病態、症状によって変わりますので、診察、検査、をお受けいただき、決定しております。
費用(自由診療)
患者様の病態、症状によって治療内容が変わりますので、治療方針決定後にお伝えしております。ご了承ください。
リスク・副作用
非常に希ではありますが、アレルギー反応や、免疫反応による発熱が起こるとがあります。
未承認医薬品等を用いた自由診療について
●未承認医薬品等であることの明示、入手経路等の明示
本治療で使用する未承認医薬品等は、現段階において医薬品医療機器等法上の承認を得ていないものです。日本では、未承認医薬品・医療機器を、医師の責任において使用することができます。
●国内の承認医薬品等の有無
現在、本治療に用いるものと同一の性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。
●諸外国における安全性等に係る情報
Germline-integrationのリスク評価
General Principles to Address the Risk of Inadvertent Germline Integration of Gene Therapy Vectors Oct. 2006